アルガンオイルができるまで【アルガンオイルとは】
アルガンオイルができるまで
アルガンオイルは、モロッコで採れるアルガンツリーの実から搾取される貴重なオイルです。
アルガンツリーは、地中深く根を張り水を吸い上げ、砂漠を生き延びてきました。長い年月をかけて、乾燥に適応してきたのです。次世代の種を砂漠の干ばつから守るため、とてつもなく固い殻と、保湿・保水のエッセンスをその中の”仁”に残すようになりました。アルガンオイルはその”仁”を、丁寧に搾取した植物性の油脂になります。数千年もの間、アルガンオイルは食用、スキンケアに用いられ、美容大国モロッコからヨーロッパや中東に広がっていきます。
このコラムでは、アルガンオイルができるまでを説明して、世界中に愛されるようになったアルガンオイルの魅力や、厳しい自然がつくった、オーガニックの壮大な世界観をお伝えしたいと思っています。
~ 目次 ~
■アルガンツリーの生育環境
アルガンツリーは、モロッコのアトラス山脈の麓、スース川の中・下流域を中心とした砂漠地帯に生息しています。カサブランカから車で5~7時間ほどかかる場所に点在し、日本から気軽に行ける場所にはありません。乾燥に強いといわれる、オリーブやアーモンドの畑がなくなって少し走ると、アルガンツリーが姿を現します。それらはジャングルのように密集して生えるのではなく、赤茶けた荒れ地にポツポツとアルガンツリー林が続きます。
↑アルガンツリーとらくだ
アルガンツリーと言えば、ヤギが木に登ってその実を食べるのが有名ですが、現在は食品・化粧品用のアルガンオイルと家畜用のアルガンツリーを、別々に栽培していることが多いようです。ヤギが出す消化液が混入すると、アルガンオイルの劣化を早めてしまうとのこと。
↑アルガンの実を食べるヤギ(放牧の様子)
↑アルガンツリーにのぼるヤギ(観光撮影用)
アルガンツリーは国家的に保護されていて、木になっているものは人間は採取することができません。熟して落ちたものを拾って採取します。(※時々、ヤギが食べて排せつした種を使ったと、うたっているオイルがあります。)
インドネシアのジャコウネコのコーヒーの真似しているのかもしれません。現地の人に聞いたところ、B級品として流通しているとのこと。オイルは原料を混ぜてしまうと外見ではなかなか見分けがつきません。さらに精製して脱臭脱色してしまえば、全くわからなくなります。あとは成分や効果、メーカーへの信頼で良いものかどうかを判断するしかありません。
■アルガンオイルの実
アルガンツリーは夏になると黄色の実をつけます。8月頃それは地上に落ち、収穫となります。
↑実のなったアルガンツリー
↑黄色の実が落ちます
↑実を拾い集めることから、手作業の工程に入ります。
※Aniaアルガンオイルでは、車の排気ガスの影響を受けないように、道路より離れたところにある木を指定しています。もちろん、車も家畜も入ることはできません。
■実の乾燥から仁の取り出し
次は実の乾燥です。収穫した後で、アルガンの実を乾燥させる場合と、木の下でそのまま乾燥させる場合があります。乾燥させるのが目的のため、雨がふらないのは好都合なわけです。広大なアルガンツリーの林を順番にまわって収穫していきます。
↑実が落ちてから、比較的早めに集めているようです
いずれにしても、表面が茶色になり、レーズンのようになるまで天日で干します。
↑天日で乾燥させた状態のアルガンフルーツ
※Aniaアルガンオイルは、若くて活動的な木を指定しているため、他の実と混ざらないように木の下にシートを引き別々に収穫します。
↑このまま保存となります。搾油のたびに取り出して、仁を取り出します。
保管の温度はとても重要。地域によって、気温に差があるのでその地方によって保管を考えなければいけません。
※Aniaアルガンオイルの工場は、風通しのよい保管庫があります。34度以下に必ずコントロールされるようになっています。
仁を取り出す工程です。エッサウィラ、タルーダント近辺の工場では、観光客用にこの工程を見せています。
↑アルガンツリーの種。
外の乾燥した果肉を取り外すと、きれいな種が姿を現します。この殻がとても硬く、機械で割ると仁がつぶれてしまうということで、まだ機械化がうまくいっていません。近所の女性が集まっておしゃべりしながら、殻をひとつづつ割っていきます。同時に破損したもの、変色したものは手作業で取り除きます。
↑石を打ち合わせて、割っていきます。
↑地域の女性たちのコミュニケーションの場になっています。
ここから、搾油のまえに加熱する場合があります。集めた仁の搾油効率を上げるために、食用は加熱して乾煎りすることが多いです。加熱したものは、ごま油のような香ばしい香りがします。化粧品に用いるものは、加熱しない場合が多いです。ビタミンなど、微量に含まれる物質が熱で壊れてしまうからです。
■搾油からボトリング
搾油の工程です。仁を集めて、低温で圧搾していきます。すりつぶす過程で摩擦熱が起こったり、機械の熱が伝わらないように温度管理をしています。昔は石臼で砕きながら、オイルを搾っていました。
※Aniaアルガンオイルは、30度以下で管理しながら搾油しています。
↑昔はこのような石臼で搾油していました。
現在も店先で搾りながら販売しているところもあります。
↑石臼で搾った後の搾りかすです。
モロッコの女性はこの搾りかすで体全体をパックすることが癒やしのようです。この絞りかすをプレゼントすると大変喜ばれます。
↑現在の低温圧搾法で搾った搾りかすです。
これは、家畜のえさに混ぜるか、燃料として使うとのこと。搾ったオイルを寝かせて不純物を沈殿・除去する工場もあります。何層かのフィルターに圧力を加えながら濾過していきます。状態の良いものはここでボトルに入れられ、出荷されていきます。
↑工場内の様子。後ろに見えるのがろ過装置です。
※Aniaアルガンオイルは、木から選んだものを、厳選して瓶に詰めています。この濾過の工程で、脱色・脱臭をする商品もあります。それが悪いというわけではありません。Aniaアルガンオイルは、脱色・脱臭する必要がないものを商品にしています。
ボトルに入れる作業です。ここまで搾油し始めてから、1~3日かかります。(濾過の方法によって変わります)
↑ボトリングの画像。
清潔な室内でボトリングしています。
■アルガンオイル流通の工程
モロッコはスペインやフランス、イスラム勢力の植民地だった歴史があります。アルガンオイルも粗油の段階で、ヨーロッパにもっていくことが現在も多いと思われます。
↑採れたアルガンフルーツを集めて出荷していきます。
小さい農家は、アルガンフルーツをひとまとめにして送ります。
現地で加工されない場合は、アガディール、エッサウィラなどの加工工場でまとめられ、粗油にしてヨーロッパに輸出したり、メーカーに売られていきます。いろいろなアルガンツリーのブレンド油は、品質安定のために、脱臭・脱色をしたりして、他の商品に加工されることがあります。
※Aniaアルガンオイルは、加工してすぐの新鮮さと元気な木のみから原料を調達するということと、車の排気ガスさえ注意した、品質をウリにしています。これはアルガンオイルの畑で採れて、近くの工場でボトリングまでしないと手に入れることができません。モロッコのお土産屋さんよりも、高品質なアルガンオイルが手に入ると自負しています。
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